【成功コラボを読み解く】 吉野家「ポケ盛」好調の理由とは!?

ステイホームで郊外型店舗が好調
テイクアウトでファミリー需要を喚起

この記事では「成功コラボを読み解く」と題し、効果を挙げていると報道されるエンタメコラボを取り上げ、その成功の秘訣を探ります。
今月は、吉野家と「ポケットモンスター」のコラボレーションで行われた「ポケ盛」キャンペーンを取り上げます(本件は当社のコーディネート事例ではありません)。

キャンペーン開始当初、予想を上回る売れ行きで一部店舗では販売休止となったほどの同コラボ施策の好調の理由はどこにあるのでしょうか?
エンタメタイアップ専門エージェンシーであるトキオ・ゲッツがそのポイントを読み解きます。

画像引用元:吉野家「ポケ盛」キャンペーンページ
目次

吉野家「ポケ盛」キャンペーンとは?

吉野家店舗にて「ポケ盛セット(牛丼など+ジュース+ポケモンフィギュア)」を販売。店内で食事をした方には、モンスターボールのデザインのどんぶりで牛丼が提供されるほか、テイクアウトの場合もモンスターボールをデザインした紙製容器と袋で提供してくれる展開が実施されました。ノベルティのフィギュアは「リザードン」「ヤドン」など「ドン」のつくポケモンでラインナップ。また、Twitterのフォロー&リツイートやレシート応募で、店頭で使われるポケ盛専用ドンぶりが当たるプレゼントキャンペーンも実施されました。

●吉野家「ポケ盛」キャンペーンページ
https://www.yoshinoya.com/special/pokemori/

画像引用元:吉野家「ポケ盛」キャンペーンページ

どんな効果があったの?

では、「ポケ盛」キャンペーンはどのような効果をあげているのでしょうか?プレスリリースやメディアサイトなどで公表されている情報から読み解きます。

●2019年12月に第1弾をスタート。予想を上回る売れ行きで一部店舗で一時販売を休止。
●その後、販売数量と時間を限定し、テイクアウトのみで5月~販売が再開され、待ち望んだユーザーのなかで「どこで買える?」と話題に。
●ステイホーム期間と重なる7月~第二弾、9月~第三弾キャンペーンを実施。
●4月7日に緊急事態宣言が発表された影響などで、2020年5月の売上が昨対比で7.3%減、6月には12.3%減となったが、7月には少し復調し5.7%減となっている(販促会議より)。
●吉野家は、国内1200店舗のうち800店舗が郊外に立地。オフィスランチ需要減で都市型店舗の売上が落ち込むなか、郊外型店舗では休校やステイホーム影響によるファミリー層の需要を取り込むことができたとみられます。

好成果のポイントは?

上記のように、吉野家の「ポケ盛」キャンペーンはコロナ禍以前から実施され、好評を博していましたが、ステイホーム期間で飲食業界の売上が落ち込むなか、そのダメージを少なく抑えることに同キャンペーンが寄与しているように見受けられます。
では、同キャンペーンの好成果は、どんなところにその要因があったのでしょうか。当社の視点で分析してみました。

●店舗立地に基づき、ターゲットが設定(ファミリー層)がされていた
●ターゲット(ファミリー層)のなかでも、幅広い層(親世代・子世代両方)に好かれるコラボコンテンツ(ポケットモンスター)を選定していた
●牛丼と「ドン」のつくポケモンという、商品とコンテンツの相性の良さがキャンペーンの話題性や親しみやすさを高めた
●ノベルティのフィギュアは複数種類あり、キャンペーン第一弾~第三弾を通して、コンプリートする(集める)楽しさを醸成した
●テイクアウト需要に対し、持ち帰りパッケージにもコラボデザインを採用するなど、キャンペーン設計が巧みであった
●「ドン」のつくポケモンのラインナップは、ポケモンファンにとっても意外とマニアック(第二弾、第三弾と進むに連れてよりマニアックに!?)であり、ポケモンファン層のコンプリート欲も刺激した

Withコロナ時代の販促キャンペーン・来店促進キャンペーンには、ターゲット層を見極めたコンテンツ選定、持ち帰り需要やオンラインでのコンタクトポイントなど、新たな導線を意識した企画設計が重要です。

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