タイアップだけじゃない!企業が作るオリジナルアニメーション動画事例8選!
テレビCMにアニメーションの表現を使う・・・という表現手法は以前からあるものですが、近年は動画サイトでのPV配信、ネット系クリエイターとのコラボレーション、映画のようにクオリティの高い長編アニメなど、その表現手法もチャネルも多様化しています。
例えば、スキンケアブランドの「SK-Ⅱ」は、ブランド独自のフィルムスタジオ「SK-II STUDIO」のプロジェクトの一環として、6組のオリンピックアスリートの体験をもとに、全6編のオリジナルアニメーション作品を公開しています。同シリーズのオフィシャル予告編は、再生回数290万回(21年6月時点)を超えるなど、大きな注目を集めています。
このような事例では、有名コンテンツとコラボし、その認知・人気のパワーを借りたものだけでなく、クリエイターと協力し、自社独自の世界観を訴求していることが特徴です。
今回の記事では、進化を続ける企業オリジナルアニメーションの最新事例から、その傾向や表現の可能性を紐解いてみましょう。
※冒頭の画像:SK-II STUDIOより引用(スクリーンショット)
※以下でご紹介する事例は、当社のコーディネート事例ではありません。
(1)グローバルな世界観を表現した企業アニメ
いわゆる日本の手書きアニメーションとは異なる表現方法で、ブランドのグローバルな世界観を感じさせるオリジナルアニメーションが展開されています。
●SK-Ⅱ STUDIO「VSシリーズ」
卓球の石川佳純さん、バドミントンの「タカマツ」ペア、バレーボールの「火の鳥NIPPON」など、実在するアスリートが体験したストーリーを描いた動画を6編公開。作品ごとに異なるCGやロボットなどの多彩な表現が多様性を感じさせます。
●SK-Ⅱ STUDIOサイト
●h&s「#フケから救出大作戦キャンペーン」
世界中を動き回るエリートスパイ「アンドー」がフケで悩んでいる男性にh&sシャンプーを渡して救うというストーリーでシリーズを展開。テレビCMではショートバージョンを放映、本編はYouTubeで公開されています。「アンドー」のアカウントをリツイートすることで参加できるTwitterキャンペーンも開催されました。
●P&Gジャパン合同会社プレスリリース(PR TIMES)
(2)コーポレートメッセージ、ブランドメッセージ訴求を目的とした企業アニメ(コンテンツタイアップなし)
●森永乳業「かがやく笑顔」シリーズ
たくさんの人を笑顔に元気(健康)にするために「おいしいと健康を、どうぞ」というメッセージをオリジナルアニメーションで訴求。シチュエーションの異なる4編の家族の物語と、暮らしに寄り添う森永乳業の製品がおだやかなタッチで描かれています。
●森永乳業「コーポレートコミュニケーション」ページ
●マルコメ 料亭の味シリーズ
2014年から続く同商品のアニメCMシリーズは、2021年1月までに9本が公開されています。21年の最新作では、コロナ禍でがんばる娘と心配する母のストーリーが描かれるなど、時代に合ったエモーショナルな表現が共感を呼んでいます。
●マルコメ 料亭の味 CMギャラリー
(3)コンテンツやクリエイター、声優とコラボした企業オリジナルアニメ
●ブルボン「アルフォート」×杉野遥亮(俳優)×ブルーピリオド(漫画)×YOASOBI(音楽アーティスト)
美大を目指す学生の青春を描いた大人気マンガ「ブルーピリオド」、人気俳優・杉野遥亮さん、サウンドクリエイターユニット・YOASOBIがコラボレーション。「青を味方に」をコンセプトにアルフォートのSPECIALムービーやテレビCMを展開しています。
●ブルボン アルフォートミニチョコレートブランドサイト
●ブルボン「濃厚チョコブラウニー」×住野よる(作家)×下野紘・梶裕貴(声優)
ブルボンのYouTube公式チャンネルで展開されているオーディオ小説「no doubt」をテーマに、作家の住野よるさんが書き下ろした文章に、声優の下野紘さん・梶裕貴さんが声をあてる…という凝ったコラボレーションでアニメ風テレビCMが展開されています。
●ブルボン 濃厚チョコブラウニーブランドサイト
(4)ネットでバズった企業オリジナルアニメ
●ロッテ「ガーナ」×Eve×sui from ヨルシカ
シンガーソングライターのEveさんとバンド「ヨルシカ」ボーカルのsuiさんがタッグを組んだ楽曲をテーマにオリジナルアニメーションのテレビCMや4分半のMVを公開。バレンタインをテーマにした青春ストーリーに、Eveさんの公式YouTubeチャンネルでは33万いいね!、17,000件を超えるコメントが付いています。
●ロッテ ガーナ「Gift」スペシャルサイト
●アロンアルフア「君に、くっつけ!」
瞬間接着剤アロンアルフア(東亞合成株式会社)が2018年5月23日(キスの日)に公開したアニメ風プロモーション動画。女子高生・今直 筑乃(いますぐ つくの、CV:阿澄 佳奈さん)と、モテ男・九津くん(くっつくん、CV:西山 宏太朗さん)の笑える青春ラブストーリーが話題となりました。同社はその後、第二弾の動画も公開。ユニークなアニメ風動画の公開も続いています。
●東亞合成株式会社プレスリリース(PR TIMES)
企業オリジナルアニメーションの最近の傾向は?
上記でご紹介したように、企業がテレビCMや動画サイトで配信するプロモーション動画にオリジナルアニメーションを活用する手法は増えています。
これらの動画から読み取れる、最近の企業オリジナルアニメ動画の傾向をまとめました。
- まるで映画のようなハイクオリティなアニメーション
- ターゲット層の共感を呼ぶ、エモーショナルなストーリー
- ネットユーザーと相性のいいクリエイターとのコラボ
- アニメに限らず、漫画・作家・声優などとの多彩な組み合わせ
- 多様性のある(国や性別等の制限を感じさせない)表現
このように、多様な表現手法が求められるのです。