原作30周年の「クレヨンしんちゃん」若者&ヤングファミリー層など大人の「共感」が購買のカギに
2021年は、皆さんご存じ「クレヨンしんちゃん」の原作漫画が連載されてから30周年!子供向け作品のイメージが強い同作ですが、「クレヨンしんちゃん」を見て育った人も、ヤングファミリー層となる頃。家族愛などをテーマにした感動的な劇場版作品の印象もあいまって、近年、大人向けの企業コラボ企画が多数展開されています。
今回の記事では、「クレヨンしんちゃん」の大人向け・若者向けコラボ企画に注目してみましょう。
「クレヨンしんちゃん」の基礎情報をおさらい
知らない人はいないほど有名な「クレヨンしんちゃん」ですが、まずは連載30周年までの歴史や作品の基礎情報をおさらいしておきましょう。
●クレヨンしんちゃん基礎情報
1990年 「漫画アクション」で連載を開始
1992年 テレビアニメ放送開始
1993年 劇場版が初公開(アクション仮面VSハイグレ魔王)
2000年 「まんがタウン」へ移籍。
2010年 「臼井儀人&UYスタジオ」名義で「新クレヨンしんちゃん」連載中
以降、テレビアニメは放送29年目、劇場版アニメも毎年公開されており、2021年7月に公開された「謎メキ!花の天カス学園」は29作目。コロナ禍のなか動員100万人、興行収入12億円を超えるヒットとなっています。
※参照元:テレ朝ポスト
大人の心を動かす広告が話題に!
「クレヨンしんちゃん」と企業がコラボした商品やキャンペーンは昔からありますが、以前のコラボは、アニメのやんちゃでユーモラスなしんちゃんのイメージが強いものでした。しかし、近年では野原家の家族愛や大人の心に刺さるようなメッセージをテーマにしたコラボ広告が登場し、大人層からの注目や好感度をアップさせています。
※以下でご紹介する事例は、当社のコーディネート事例ではありません。
Oisix(オイシックス):お母さんに向けたメッセージ広告
「クレヨンしんちゃん」の舞台・埼玉県春日部駅に交通広告を展開。夏休みに頑張るお母さんにエールを発信するメッセージが発信されました。
参考元:Agenda note
東京ガス:家族が一緒にいられることをテーマにした広告
「一緒だと、もっと、あったかい」をテーマに、野原一家の家族愛や、クレヨンしんちゃんの仲間の絆をイメージさせる交通広告が展開されました。
サントリー「CRAFT BOSS」:父親を応援する広告・動画
父の日や映画の公開に合わせて「すべての、父ちゃんたちへ」をテーマにしたWEB限定オリジナル動画ともに広告を展開。広告を撮影しSNSに投稿する人が多かったそうです。
※参考元:春日部経済新聞より
若者や大人向けコラボが続々登場!
このような大人の心を動かすメッセージで、改めて好感度が上昇している「クレヨンしんちゃん」は2020~21年にかけて、大人向けのコラボ企画を多数展開しています。
幼いころに作品を見ていて「懐かしい」と感じる若い世代に向けた商品や、ヤングファミリー層に向けたサービスとのコラボが印象的です。
●雑貨ストア「ASOKO」連載30周年記念コラボグッズ販売
3COINSでおなじみ株式会社パルが手がける雑貨ブランド「ASOKO」と30周年を迎えた「クレヨンしんちゃん」の原作漫画とコラボしたグッズを展開。漫画の絵を活かしたPOPでおしゃれな雑貨は、大人が「かわいい」「なつかしい」と感じるデザインになっています。
※参考:ASOKO クレヨンしんちゃんコラボグッズ販売サイト
●リッスンフレーバー×「クレヨンしんちゃん」コラボウェア
ゆめかわ・病みかわ・地雷系・量産系などと呼ばれる若者向けアパレルブランド「リッスンフレーバー」と「クレヨンしんちゃん」がコラボしたファッションアイテムが販売されています。
●ロゼット洗顔パスタ「クレヨンしんちゃん」コラボキャンペーン
洗顔剤のロゼットが「クレヨンしんちゃん」とコラボレーション。「悩まない、いつも肌」をテーマに、交通広告やプレゼントキャンペーン、WEB動画を展開。キャラクターたちが共感できるメッセージを発信しています。
※参考:ロゼット洗顔パスタ「悩まない、いつも肌」キャンペーンサイト
●サイクルベースあさひ交通安全啓発動画
自転車販売店のサイクルベースあさひは、春のキャンペーンと自転車交通安全の一環として、特設サイトにて「クレヨンしんちゃん×サイクルベースあさひ」WEB限定オリジナル動画を公開しました。「#しんちゃんと自転車のおやくそく」を付けてInstagramに塗り絵を投稿するとプレゼントがもらえるキャンペーンも実施されました。
※参考:あさひのキッズサイクル祭りキャンペーンサイト
大人・親世代の共感が購買のカギに
「クレヨンしんちゃん」のような子供に人気のコンテンツと企業がコラボした企画を行う場合、子供がほしがるような「かわいさ」「おもしろさ」にフォーカスしたキャンペーンコンセプトやデザインを採用することはよくあります。
しかし、子供向け・ファミリー向けキャンペーンといっても、購買の最終的な決定権を持っているのは大人です。子供に人気のコンテンツを活用しつつ、大人・親世代の共感も得られるメッセージを発信することが購買を促進するカギと言えるでしょう。
「クレヨンしんちゃん」の最近のコラボレーションからは、子供に人気コンテンツのパワーを活用しながら、大人の共感も得る秘訣が学べます。
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