【事例インタビュー】兄弟コラボが話題に!近江兄弟社様×アイドリッシュセブンキャンペーン
株式会社近江兄弟社様は、「メンターム」などの医薬品・医薬部外品・化粧品等のスキンケア商品を製造・販売する企業様です。近江兄弟社様は2021年9月~、新発売のリップクリーム「Deepner(ディープナー)」とアニメ「アイドリッシュセブン(通称アイナナ)」とコラボレーションしたキャンペーンを実施しました。
アイナナに登場する和泉兄弟と近江兄弟社様の「兄弟コラボ」は、作品ファンの間で大きな話題となり、Twitterでトレンドワード入りするほどに。作品の人気で話題になるだけでなく、商品に対する好感やファン間でのおすすめが広がる好例となりました。
コラボ成功の秘訣は?なぜアイナナとコラボした?など、気になる企画の裏側を近江兄弟社様にインタビューさせていただきました。今後のコラボ企画のご参考に、ぜひご覧ください。
近江兄弟社様×アイドリッシュセブンキャンペーンの概要
はじめに、近江兄弟社様×アイドリッシュセブンキャンペーンの概要をご紹介します。
●概要
新作リップクリーム「近江兄弟社メンタームDeepner」の発売を記念して、IDOLiSH7の和泉三月さん、和泉一織さん兄弟とコラボレーションしたキャンペーンを実施。
●店頭展開
キャラクターイラストを活用したオリジナル什器で商品を展開
●クローズドキャンペーン
対象商品を購入したレシートを専用サイトにアップロードすると、抽選でオリジナルグッズ(アクリルスタンド)をプレゼント
●全国一部のマツモトキヨシグループ・ココカラファイングループ限定キャンペーン
対象商品1個購入で、その場でオリジナルクリアファイルをプレゼント
- 「アイドリッシュセブン」とは?
「アイドリッシュセブン」はスマートフォンアプリゲームが原作。プレイヤーはアイドル事務所「小鳥遊芸能事務所」のマネージャーとして、7人組の男性アイドル「IDOLiSH7」をトップアイドルに導きます。グループに所属する和泉一織(いずみ いおり・弟)と和泉三月(いずみ みつき・兄)は兄弟。本キャンペーンは同作のテレビアニメ版とコラボしています。
今回は、キャンペーンをご担当された株式会社近江兄弟社 辻様、山田様にお話をおうかがいしました。
【コラボのきっかけ】
マスク時代のリップ需要を換気するため、新しいことにトライしようと考えました
●アイドリッシュセブンとコラボレーションをすることになった背景を教えてください。
近江兄弟社様
コロナ禍でマスク生活が定着するなか、リップを塗る機会が減ったことやインバウンド需要がなくなったことなどからリップの市場環境が低迷していました。
しかし、当社にとってリップは主力商品です。色付きのメイク商品はどうしても使用頻度が減ってしまうかもしれませんが、マスクをつけていても唇は乾燥します。需要を喚起をすれば消費は上向くのではないかと考えていました。
このような背景のなか、秋の新商品である「Deepner(ディープナー)」の発売にあたり、なにか新しいことにトライできないかと検討しはじめました。
そんなとき、他社の広告展開で男性アイドルを起用し、若い女性から注目を集めているという事例を目にしました。ファンの方がSNS上で「この商品はいいから買って」と熱心に紹介しており、「今はこういう流れがあるんだな」と気付いたことがヒントになりました。
しかし、タレントさんを起用するにはかなりの費用がかかります。そこで、キャラクターであればどうだろうと考え、トキオ・ゲッツさんに相談したのがきっかけとなりました。
トキオ・ゲッツさんには、以前にも「島耕作」の企画などでお世話になっており、はじめは「20~30代の女性に人気があり、この商品に合うキャラクターはいませんか?」という感じでお聞きしました。
●数あるキャラクターのなかでアイナナ/和泉兄弟とコラボを決めたのはなぜでしょうか?
近江兄弟社様
私たちはアニメやキャラクターに関する知識がなかったので、候補の選定やご提案はキャラクターのプロであるトキオ・ゲッツさんにお願いしました。「和泉兄弟」のおふたりと社名をかけ合わせるという案について、はじめは正直「おもしろいとは思うけど、、本当におもしろいのかな…?」と思っていました(笑)
しかし、企画をつめていく段階で社内の意見を聞くと「ゲームやってました」「好きでした」などの声がちらほら聞こえてきました。人気があるんだなと実感したことや、アイナナの他社のコラボ実績などを参考に、最終的に企画を決定しました。
【企画のこだわり】
和泉兄弟の言葉で商品特徴を訴求&店舗オペレーションを混乱させない仕組みづくり
●今回の企画では、特設サイトやノベルティに活用された描き下ろしイラストが好評でしたね!?
近江兄弟社様
想像していた以上にかわいく仕上げていただきました。コーポレートカラーのグリーンを使っていただいたところも、しっかりコラボ感を出せてよかったですね。
Twitterでは描き下ろしのふたりをテーマにしたファンアートをあげてくれている方が大勢いますし、コスプレをしてくれている方までいて感激しました。
アイナナの衣装はいつもは「キラキラ華やか系」が多いイメージですが、今回の描き下ろしは身近な制服スタイルだったところに、ファンの方が新鮮さを感じていただけたのではないでしょうか。ディープナーのシンプルなデザインにも合っていますよね。私自身もすごくかわいいと思いました!
●和泉兄弟ふたりの掛け合いで商品の特長が紹介されているのもいいですね!
近江兄弟社様
ふたりのセリフのなかで商品の特徴をしっかり訴求してもらうことにはこだわっており、何度も修正を重ねました。そうしたことで「キャラクターが好きだから買う」だけでなく、ファンの方にもしっかり商品を理解してもらえたと思います。
例えばふたりの会話のなかで、UVが入っている商品は日中用、入っていない商品は夜用で使い分けるなどの活用シーンのイメージを訴求しているのですが、Twitterの口コミのなかでは、ファンの方がそういった活用方法まで自分の言葉に変えて発信してくれており、とても嬉しかったです。
●キャンペーンの仕組みについて、工夫されたことはありますか?
近江兄弟社様
流通限定のキャンペーンは、先方から「ぜひ一緒にやりたい」とお声がけいただき、実施することになりました。しかし、当社ではドラッグストアでその場でもらえるキャンペーンの経験がなかったため、お客様がちゃんと景品をもらえるかや、混雑してお店に迷惑がかからないかなどに一番気を遣いました。
プレゼント条件も、はじめは商品を3つ購入した方にノベルティを進呈する形で考えていたのですが、店舗オペレーションの混乱を防ぐため、最終的に1つ購入した方にクリアファイル1枚進呈という仕組みにしました。ファンの方からは「良心的!」とのコメントをいただきましたが(笑)、店舗がスムーズに対応でき、複数購入にもつながったため、よい結果となりました。
【キャンペーンの成果】
Twitter告知は約5万いいねを獲得!過去実績5倍のキャンペーン応募に
●公式Twitterアカウントは今回のキャンペーンをきっかけに開設したそうですね!?
近江兄弟社様
Twitterアカウント運用は以前から検討はしていたのですが、なかなか実施に踏み切れていませんでした。
今回、アイナナとコラボするにあたり、ファンの方のコミュニケーションはやはりTwitterが多いということをうかがい、これを機に近江兄弟社メンターム公式アカウントの運用をはじめました。
Twitter公式アカウントで発表した情報解禁の投稿には、約5万いいね!がつき、いきなりこわいくらいの成果が出てびっくりしました。キャンペーン開始後は「和泉兄弟」という言葉がトレンドワードに入ったのも驚きでした。
キャンペーンサイトのなかで和泉兄弟に商品の良さを語ってもらっているのですが、まさにそのままの流れでお客様が購入したり、反応したりしていただけていることに感激しました。
●キャンペーンの成果も非常に良かったとうかがいました。
最近はあまりキャンペーンをおこなっていなかったので明確な比較にはなりませんが、クローズドキャンペーンでは過去の実績の5倍ほどの応募数がありました。また流通限定キャンペーンも、初日に予定していた景品の8~9割が配布されるなど、非常に大きな反響を得ました。
特設キャンペーンサイトも、オープンは夜だったのですがアクセスしにくい状態が続き、ファンの方々の期待の高さがうかがえました。
【感想・今後に向けて】
商品の良さを体感して「また買おう」と思っていただけたら嬉しいです
●最後に、今回の企画のご感想や今後の展望などをお聞かせください。
近江兄弟社様
広告宣伝を考えるとき、私たちメーカーはどうしても商品を軸に考えてしまいがちですが、アニメやゲームの世界観に商品を残しながら、キャラクターの魅力も活かすという表現がファンの方に伝わったことが良かったと思います。このあたりは、ファン心理をよくご存じのトキオ・ゲッツさんに提案していただいて非常に満足しています。
また、ファンの方たちが商品もとてもよく見てくれており、「リップ使ってみたらよかった」「使い心地がよかったです」などの声が聞けたことも嬉しかったです。この点では、今回の件でSNSの力を実感できましたし、勉強させていただけたと感じています。今後はキャンペーンのときだけでなく、「これを使い終わったらまた買おう」と思っていただけたら嬉しいですね。
現在、お店にお客様を呼ぶことは非常に難しく、どの会社も苦心しています。そのようななかで、キャラクターの魅力やコラボの仕方によってこれだけ店頭にお客様を呼ぶ力になったことにも非常に驚かされました。コンテンツとのコラボには非常に魅力を感じましたので、ぜひまた別の機会にトライしたいと考えています。
ー貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!
トキオ・ゲッツ担当 成瀬より
私自身もオタクということもあり、ファンの喜ぶ内容は理解している部分も多く、
色々とご提案させていただきました。
また同じコンテンツの別タイアップのように2次元ではあるものの
実際にキャラクターが実在するかのような展開には非常にこだわりました。
近江兄弟社のご担当者様には私からのご提案にご理解をいただき実施できたこと、また版元様も意図をご理解いただきご協力いただいた事が本キャンペーンの成功に繋がったと非常に感謝しております。
今後もぜひ近江兄弟社様のお力になれれば幸いです。
貴重なお時間をいただき、ありがとうございました!