推し活の”費用”はどのくらい?各種調査から読み解く

先日発売された「日経エンタテインメント!」11月号には、「“推し活”最前線」が特集され、どのようなコンテンツが推されているのかをわかりやすく示した「推し活マップ」が掲載されていましたね!アニメやキャラクターのコラボ企画とも関わりの深い「推し活」は、さまざまなブランドやコンテンツを対象に定着しています。
この記事では「推し活」研究として、ファンが推し活にさける金額はどのくらいなのか?を各種調査を引用しながら読み解きます。

>参考リンク:
日経エンタ! 11月号は“推し活”最前線 “推し”ブランドTOP300をマップ化https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00960/00018/

目次

そもそも「推し活」とは…?

「推し活」とは、人物やコンテンツ、ブランドなど、自分が好きな対象を熱心に応援する活動のことです。その応援対象はさまざまであり、アニメや漫画のキャラクターから、アイドル・俳優・アーティスト・声優・インフルエンサー、スポーツ選手などの実在の人物、歴史上の人物、動物など多種多様な「推し」ジャンルが存在します。

熱狂的なファンは古くは「オタク」と呼ばれ、ファンであることを隠したり、こっそり応援するなどの文化がありましたが、「推し活」=「応援する」というポジティブなイメージのワードが定着したことで、多くの人がファン活動に参加しやすくなった背景があります。

また、コンテンツを提供する側も、メディアやSNS、ファンクラブでの発信などを通じてファンコミュニティの拡大・定着を意識したプロモーションを行っています。このようにしてできあがった熱狂的なファンのコミュニティは「ファンダム」と呼ばれ、ファンを総称する名前(ファンダムネーム)が付けられる場合もあります。

また、「推し活」の活動内容には、コンサートやライブ・作品関連イベントなどへの参加、CD/DVDなどのメディア購入、配信コンテンツの閲覧、グッズ購入、キャンペーン参加、ファン同士の交流、手作りグッズ制作などがあります。

引用元:X/日経エンタテインメント!@nikkei_ent

「推し活」の予算はどのくらい?

上記で紹介したように、「推し活」をするにはさまざまな場面でお金がかかります。では、多くの人は「推し活」にどのくらいの費用をかけているのでしょうか。各社の調査から、その実態を読み解いてみましょう。

推し活をする人の1カ月あたりの平均金額は1万6605円
対象分野では
1位:「俳優(舞台)」 月平均3万1375円
2位:「声優」 月平均1万6686円
3位:「YouTuber・インフルエンサー」月平均1万5306円
※引用元:「推し活」に使う額の平均は月いくら?ファイナンシャルフィールド (R&C株式会社の調査)https://financial-field.com/living/entry-221887

ママを対象にした調査で全体の68.5%が「年間5万円未満」と回答
※引用元:株式会社インタースペース社の調査
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000450.000013544.html

推し活にかける予算、月平均1万円未満が全体の73.8%
※引用元:推し活に費やしている金額、月平均1万円未満が約7割[マナミナ](株式会社ネオマーケティングの調査)
https://manamina.valuesccg.com/articles/3434

推し活にかける予算は月「5000円以内」が最多(40%)。
※引用元:好きなグッズは「アクスタ」がトップ! 推し活費用は「5000円以内」が最多…アニメ!アニメ!“推し活”アンケート【グッズ・イベント編】 | アニメ!アニメ!
https://animeanime.jp/article/2024/05/02/84163.html

調査の規模や対象、推しジャンルによって差があるものの、各種調査から、推し活にかける費用は月5,000円~1万円台が主流であることが推測できます。
また、調査は月平均で算出されているものが多いですが、年間予算を見ると、支出が少ない月もあれば、イベント参加やグッズ発売のタイミングなどで~5万円の高額な出費があることも読み取れます。

また、このような「推し活」に支出可能な費用は、ファン層の「年代」によっても異なります。企業がコンテンツとコラボレーション企画を実施する際には、コンテンツの人気だけでなく、以下のような点に配慮することで、経済的な効果をより高められる可能性があります。

・コラボ対象のファン層の属性から推測する経済力、受容可能な費用感
・年間の中で支出可能なタイミングであるかどうか(リリース・イベント・行事など)

ファンが支える人気であることに配慮を

人気のコンテンツとのコラボレーション企画は、コンテンツの人気や認知度と連携し、効果的なプロモーションが可能です。しかし、そのコンテンツの人気を支えているのはファンであり、高額な出費が必要な企画や、コンテンツのイメージとマッチしていないキャンペーンが頻発すれば反感を買ってしまう恐れもあります。
「推し活」の対象となるようなコンテンツとのコラボレーション企画を検討する際は、コンテンツそのものへの理解を深めるのはもちろん、ファン層の事情や心理への配慮も忘れずに取り組みましょう。

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